セロチャルテングループ
Hola!
カラファテ川上店の王鞍です。
冬季休業の期間を利用してパタゴニアへクライミングトリップに行ってきました。パートナーは今回も"こみねっち"こと小峰さん。
チリとアルゼンチンにまたがる広大なパタゴニア地方。その中でもとりわけ有名な、ご存じアウトドアウェアブランドPatagoniaのロゴにもなっているセロチャルテン(フィッツロイ)山群の麓に位置するEl Chaltenという街に約2ヶ月滞在しました。
世界で最悪の天候とも言われる"風の大地"パタゴニア。2ヶ月で3回山に入れればラッキーと言われていましたが、今年はかなりの当たり年で僕らは合計5回も山に登ることが出来ました。
今回は一番初めに登頂することのできた山群最高峰、セロチャルテン(フィッツロイ)のクライミングについてお話しさせていただきます。
セロチャルテン群。赤線が今回登れたライン。青線が下降路
余談ですが、この山はフィッツロイとして有名ですが(トポによると)ここ数年で現地の名称を尊重するという流れができているそうなので、ここでは"煙を吐く山"という意味のセロチャルテン(Cerro Chalten)の名を使おうと思います。こちらは公式な名称変更ではありませんが、アラスカのマッキンリー山がデナリと呼ばれるようになったような感じでしょうか。
さて、丸二日以上かけてようやくたどり着いた地球の裏側。なんと到着したその日から1週間ほどの好天周期が来ていて、街を散策する暇もなくギアと数日分の食料を慌ただしく詰め込んで入山しました。
トレイルは世界中から来た旅人で時には渋滞するほどの混雑でしたが、Laguna de Los Tres湖を越えると人の気配がなくなります。セロチャルテン山群が目の前にそびえる湖のほとりをベースに大自然を独占。
さらに一日かけて氷河のアプローチをこなし、雪壁と氷の詰まったルンゼを数ピッチ登りセロチャルテン南のコルにてビバーク。いよいよ明日ピークにアタックです。
憧れの岩峰に向けて氷河のアプローチを進む。正面のコルがビバーク地。
翌日、夜明けと共にいきなりのスプリッタークラックを登り始めます。今回ラインとして選んだのは、セロチャルテンの初登ルートのバリエーションであるフランコアルゼンチーナルート。
遠目ではかなりドライに見えた壁ですが、実際にはほとんどのクラックに雪や氷が詰まっていてなかなかスピードが上がりません。日中、日が高くなってくると今度はその雪氷が解けて凹角はほとんど滝。。残念ながらここでエイドを交えます。
ビバーク装備をコルに置いてきたので17時までにピークに着かなければ撤退と決めていたのですが、やはりここまで来ると欲が出て最後の雪壁をアルミアイゼンで駆け上がり、20時過ぎに登頂。合計で17,8ピッチほどロープを伸ばしたでしょうか。
ちなみにこの時期のパタゴニアは夏で夜10時まで日が出ています。
想像より悪い1ピッチ目。中には雪が詰まっている。
日向は水流、日陰は氷漬け。
広いピーク。山頂での2ショットは相方のスマホと一緒にパタゴニアの彼方へ。。
あとはもと来た道を戻るだけ。幸い風もなくロープスタックのリスクは低い、とはいえ懸垂を始めるとすぐに日が暮れて暗闇に。ヘッドライトの明かりを頼りにスローペースで降りていきます。
相方が残置支点を探して右往左往している合間にうたた寝。ダウンジャケットを着込んでもさすがに寒さで震えが止まらない。
長い長い懸垂下降を経てコルに戻ってきたときには朝になっていました。
出発して26時間後、ようやく取り付きに
コルでがっつり昼寝をするつもりでしたが、今度は強烈な日差しが暑すぎて起こされます。仕方がないので落石の飛び交うク―ロワールを急いで懸垂下降し、緩んだ氷河にズボズボと足を取られながらベースキャンプに帰還。
二人とも何もしゃべりたくないほど疲れていましたが、深い充実感をグータッチで共有しました。
翌朝、テントから這い出ると赤く燃えるセロチャルテンがお出迎え。トリップが始まってまだ一週間と経っていませんが、この上ないスタートダッシュとなりました。
モルゲンロートのチャルテン。
カラファテ川上店の王鞍です。
冬季休業の期間を利用してパタゴニアへクライミングトリップに行ってきました。パートナーは今回も"こみねっち"こと小峰さん。
チリとアルゼンチンにまたがる広大なパタゴニア地方。その中でもとりわけ有名な、ご存じアウトドアウェアブランドPatagoniaのロゴにもなっているセロチャルテン(フィッツロイ)山群の麓に位置するEl Chaltenという街に約2ヶ月滞在しました。
世界で最悪の天候とも言われる"風の大地"パタゴニア。2ヶ月で3回山に入れればラッキーと言われていましたが、今年はかなりの当たり年で僕らは合計5回も山に登ることが出来ました。
今回は一番初めに登頂することのできた山群最高峰、セロチャルテン(フィッツロイ)のクライミングについてお話しさせていただきます。
セロチャルテン群。赤線が今回登れたライン。青線が下降路
余談ですが、この山はフィッツロイとして有名ですが(トポによると)ここ数年で現地の名称を尊重するという流れができているそうなので、ここでは"煙を吐く山"という意味のセロチャルテン(Cerro Chalten)の名を使おうと思います。こちらは公式な名称変更ではありませんが、アラスカのマッキンリー山がデナリと呼ばれるようになったような感じでしょうか。
さて、丸二日以上かけてようやくたどり着いた地球の裏側。なんと到着したその日から1週間ほどの好天周期が来ていて、街を散策する暇もなくギアと数日分の食料を慌ただしく詰め込んで入山しました。
トレイルは世界中から来た旅人で時には渋滞するほどの混雑でしたが、Laguna de Los Tres湖を越えると人の気配がなくなります。セロチャルテン山群が目の前にそびえる湖のほとりをベースに大自然を独占。
さらに一日かけて氷河のアプローチをこなし、雪壁と氷の詰まったルンゼを数ピッチ登りセロチャルテン南のコルにてビバーク。いよいよ明日ピークにアタックです。
憧れの岩峰に向けて氷河のアプローチを進む。正面のコルがビバーク地。
翌日、夜明けと共にいきなりのスプリッタークラックを登り始めます。今回ラインとして選んだのは、セロチャルテンの初登ルートのバリエーションであるフランコアルゼンチーナルート。
遠目ではかなりドライに見えた壁ですが、実際にはほとんどのクラックに雪や氷が詰まっていてなかなかスピードが上がりません。日中、日が高くなってくると今度はその雪氷が解けて凹角はほとんど滝。。残念ながらここでエイドを交えます。
ビバーク装備をコルに置いてきたので17時までにピークに着かなければ撤退と決めていたのですが、やはりここまで来ると欲が出て最後の雪壁をアルミアイゼンで駆け上がり、20時過ぎに登頂。合計で17,8ピッチほどロープを伸ばしたでしょうか。
ちなみにこの時期のパタゴニアは夏で夜10時まで日が出ています。
想像より悪い1ピッチ目。中には雪が詰まっている。
日向は水流、日陰は氷漬け。
広いピーク。山頂での2ショットは相方のスマホと一緒にパタゴニアの彼方へ。。
あとはもと来た道を戻るだけ。幸い風もなくロープスタックのリスクは低い、とはいえ懸垂を始めるとすぐに日が暮れて暗闇に。ヘッドライトの明かりを頼りにスローペースで降りていきます。
相方が残置支点を探して右往左往している合間にうたた寝。ダウンジャケットを着込んでもさすがに寒さで震えが止まらない。
長い長い懸垂下降を経てコルに戻ってきたときには朝になっていました。
出発して26時間後、ようやく取り付きに
コルでがっつり昼寝をするつもりでしたが、今度は強烈な日差しが暑すぎて起こされます。仕方がないので落石の飛び交うク―ロワールを急いで懸垂下降し、緩んだ氷河にズボズボと足を取られながらベースキャンプに帰還。
二人とも何もしゃべりたくないほど疲れていましたが、深い充実感をグータッチで共有しました。
翌朝、テントから這い出ると赤く燃えるセロチャルテンがお出迎え。トリップが始まってまだ一週間と経っていませんが、この上ないスタートダッシュとなりました。
モルゲンロートのチャルテン。