文殊岩のピークから晩夏の瑞牆を望む
こんにちは、カラファテ川上店の王鞍です。
瑞牆・小川山もすっかり暑くなってきました。カチがぬめる季節はクラックにかぎりますね!
というわけで去年の夏に登ったオススメのクライミングをご紹介したいと思います。
数年前に開拓された瑞牆ロケット。ネットでも再登の記録がいくつか上がっているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
瑞牆ロケットは40mほどもある威圧的なワイドクラックで、終了点から少し踏み跡をたどり登っていくと文殊岩のクレイジーバム取付きに出るため、この二つのルートを継続するパーティーも多いようです。
これはパートナーのアイデアだったのですが、どうやら黄金狂の塔も文殊岩と同一の尾根上にあるという事で、黄金狂時代から瑞牆ロケット、クレイジーバムに継続してみました。
実際は黄金狂時代の終了点から先が中々にワイルドだったものの、瑞牆山の新しい一面を見れたような充実した一日になりました。
黄金狂時代1ピッチ目
朝いち、汗だくで取り付きに到着。黄金狂は見るからに悪そうな顔をしている。
ワイドギアもあって荷物が重いのでバックロープを引いて荷揚げスタイルにしました。
ノーアップでとりつ取り付くにはやや厳しさがありますが、明らかな弱点を突いてロープを伸ばします。
ムーブは一筋縄ではいかず、あまり登られていないのかチリチリとした表面と長さも相まってかなりパンプします。
2ピッチ目はかなりの露出感のなかでハードなボルダームーブ。そこを越えるとワイド気味の割れ目からスラブで終了点へ。
このルートはグランドアップで開拓されていて、この威圧感と岩質から初登時はなかなかに冒険だったのではないでしょうか。
黄金狂時代だけでも相当に充実しましたが、今回の目的地はもっと上。
トポを見ててっきり岩塔の上が終了点になっているものと思いきや、尾根に出るまではもうワンピッチ傾斜のあるブッシュを行かねばなりませんでした。
ナッツキーでクラックの中の泥をかき出してカムをきめ、割れ目からわらわらと出てくる蟻の群れと闘いながらなんとか登り切りました。
泥とコケにまみれる黄金狂3ピッチ目(?)
平地に抜けると、上の方に瑞牆ロケットの巨大な割れ目が見えます。左手にはカヌーを登るクライマーも。
意外と複雑な尾根沿いを進むと瑞牆ロケットの取り付きに出ました。
本当に同じ尾根上にルートが続いていた!という喜びでもうここまで来た甲斐があるというもんです。
ここからは広い隙間とファイトの時間。濡れていることの多い瑞牆ロケットですが、今日は奇跡的に乾いてます。
内容的には5.10代のワイドが三つ連続するような形で、一本ワイドを登った後に「よしもう一本行くぞ」という気合が必要なルート。
実際には「ゲッ、まだあるのかよ!?」という思いでしたが...それだけに登り切った時の解放感はひとしおです。
このスケールのワイドクラックを掃除して初登した石間さんには頭が下がります。
岩との接地面積を強く求めている人々には垂涎モノのルートでしょう。
さて、さらに親切なテーピングに導かれて少し歩けばもう文殊岩取り付きのテラスです。
せっかくなのでその右隣にできたバムワゴンも登りました。こちらも前半の洞窟探検から後半のシビアなフィンガーレイバックと三ツ星の内容。
一旦テラスまで降りてきて、いよいよ〆のクレイジーバム。
先の見えないスケールのクレイジーバム
地面からスカイラインまで一直線にクラックが伸びているのですが、単調なハンドジャムの連続などではなく甘いフィンガーやフレアしたフィストが次々と出てきて飽きさせない。
マルチピッチでもないのにこの高度感が堪りません。最後はスラブを駆け上がりフィニッシュ。
岩塔の上は気持ちいい風が吹いていて、瑞牆の森が一望できます。
瑞牆山はアイデア次第で色々と面白いことが出来るエリアだと改めて思いました。
そして下山路はいつもカモシカが教えてくれます。
良い一日を見守ってくれた瑞牆の主
こんにちは、カラファテ川上店の王鞍です。
瑞牆・小川山もすっかり暑くなってきました。カチがぬめる季節はクラックにかぎりますね!
というわけで去年の夏に登ったオススメのクライミングをご紹介したいと思います。
数年前に開拓された瑞牆ロケット。ネットでも再登の記録がいくつか上がっているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
瑞牆ロケットは40mほどもある威圧的なワイドクラックで、終了点から少し踏み跡をたどり登っていくと文殊岩のクレイジーバム取付きに出るため、この二つのルートを継続するパーティーも多いようです。
これはパートナーのアイデアだったのですが、どうやら黄金狂の塔も文殊岩と同一の尾根上にあるという事で、黄金狂時代から瑞牆ロケット、クレイジーバムに継続してみました。
実際は黄金狂時代の終了点から先が中々にワイルドだったものの、瑞牆山の新しい一面を見れたような充実した一日になりました。
黄金狂時代1ピッチ目
朝いち、汗だくで取り付きに到着。黄金狂は見るからに悪そうな顔をしている。
ワイドギアもあって荷物が重いのでバックロープを引いて荷揚げスタイルにしました。
ノーアップでとりつ取り付くにはやや厳しさがありますが、明らかな弱点を突いてロープを伸ばします。
ムーブは一筋縄ではいかず、あまり登られていないのかチリチリとした表面と長さも相まってかなりパンプします。
2ピッチ目はかなりの露出感のなかでハードなボルダームーブ。そこを越えるとワイド気味の割れ目からスラブで終了点へ。
このルートはグランドアップで開拓されていて、この威圧感と岩質から初登時はなかなかに冒険だったのではないでしょうか。
黄金狂時代だけでも相当に充実しましたが、今回の目的地はもっと上。
トポを見ててっきり岩塔の上が終了点になっているものと思いきや、尾根に出るまではもうワンピッチ傾斜のあるブッシュを行かねばなりませんでした。
ナッツキーでクラックの中の泥をかき出してカムをきめ、割れ目からわらわらと出てくる蟻の群れと闘いながらなんとか登り切りました。
泥とコケにまみれる黄金狂3ピッチ目(?)
平地に抜けると、上の方に瑞牆ロケットの巨大な割れ目が見えます。左手にはカヌーを登るクライマーも。
意外と複雑な尾根沿いを進むと瑞牆ロケットの取り付きに出ました。
本当に同じ尾根上にルートが続いていた!という喜びでもうここまで来た甲斐があるというもんです。
ここからは広い隙間とファイトの時間。濡れていることの多い瑞牆ロケットですが、今日は奇跡的に乾いてます。
内容的には5.10代のワイドが三つ連続するような形で、一本ワイドを登った後に「よしもう一本行くぞ」という気合が必要なルート。
実際には「ゲッ、まだあるのかよ!?」という思いでしたが...それだけに登り切った時の解放感はひとしおです。
このスケールのワイドクラックを掃除して初登した石間さんには頭が下がります。
岩との接地面積を強く求めている人々には垂涎モノのルートでしょう。
さて、さらに親切なテーピングに導かれて少し歩けばもう文殊岩取り付きのテラスです。
せっかくなのでその右隣にできたバムワゴンも登りました。こちらも前半の洞窟探検から後半のシビアなフィンガーレイバックと三ツ星の内容。
一旦テラスまで降りてきて、いよいよ〆のクレイジーバム。
先の見えないスケールのクレイジーバム
地面からスカイラインまで一直線にクラックが伸びているのですが、単調なハンドジャムの連続などではなく甘いフィンガーやフレアしたフィストが次々と出てきて飽きさせない。
マルチピッチでもないのにこの高度感が堪りません。最後はスラブを駆け上がりフィニッシュ。
岩塔の上は気持ちいい風が吹いていて、瑞牆の森が一望できます。
瑞牆山はアイデア次第で色々と面白いことが出来るエリアだと改めて思いました。
そして下山路はいつもカモシカが教えてくれます。
良い一日を見守ってくれた瑞牆の主