新製品、使って試して検証してきました。
長時間ぶらさがることのできる幅の広いハーネスと、重たいドリル等を快適に持つことができるギアラックです。
2023年春にBlack Diamondより新型のハーネスが、発売されました。LONG HAUL(ロング ホール)ハーネスです。
その名の通り、長時間ハンギングすることができる幅が広くて腰にも優しい作りです(けっして長い墜落Long fallではないでご心配なく)。
ビッグ ウォール クライミング用に作られたようですが、それ以外にもたくさんの使い道がある、他にはないハーネスです。
特徴その1は、何と言っても幅広くコシのある腰ベルト、レッグループです。
太ももとお尻に食い込まないのでブランコに腰掛けたような状態になります。これまで長時間空中にぶら下がって作業すると足が痺れてきて、血栓ができてしまったり、下肢静脈瘤になってしまった私にはとてもありがたいです。
今回30mを超える空中ユマーリングをこなして、足が岩につかない状態でのボルト打ちをしましたが、作業用のハーネス並の快適さでした。
腰ベルトの幅が広いため、ハングで大きくのけぞるような姿勢でも、腰を痛めずに済みました。
特徴その2は、ビレイループが縫い目なしで、2つあることです。
柔らかめに作られているのでハーネスのタイインループも傷めないので、長持ちしそうなのも有り難いですが、2つあるのでどちらか一方にpasやデイジーチェーンをつけて降られ止めをした時にビレイループが、引っ張られてしまったときにも、ビレイデバイスや登高器をセットするビレイループが、1つ残ります。
特徴その3 重さは、実測値Mサイズで615gです。
軽くはありませんが、普通にリードで登ることが出来ます。これは作業用のハーネスとは、大きな違いですね。
また、傷みやすいお尻側の伸び縮みするゴム紐部分も幅広く丈夫なものが使われていて安心感があります。
ビッグウォール用に開発されたようですが、ルート開拓、ルート整備、写真撮影等で長時間ぶら下がる人には全てにおいてもってこいです。ルートセッターにも当然大プッシュであります。リードクライミングができるウォールを管理する人や、ジムのスタッフ、オーナーは、即買いアイテムと言って良いでしょう。
もう腰は痛くなりませんよ?
ロングホールでユマーリング
さて、次なる装備がIADダブルギアスリングです。
イン・ア・デイの略の通り一日中重たいギアを持って登ることを想定しています。
今までのゾディアックギアスリングをマルチループ化して、ショルダーハーネスをパット入りのものに進化させています。これにより、ドリルのような重たいものをギアラックに下げても、ザックで背負っているような快適さです。これまた、ルートセッターにおすすめですね。
マルチループになったのでブラシ、レンチ、ハンマーといった様々なものを違うループにかけることにより、コードが絡まりにくくなり、取り出しもスムーズに行えるようになりました。
前側の上部のループはロープソロクライミングのときに使うことが出来るでしょう。
後方のループは少し取り出しにくくなりますが、ぶら下げたギアが登りをあまり邪魔しないので、頻度が少ないものを付けましょう。
ギアの振り分けが快適
サイズは、身長170cm位を境目と考えて、女性や、小柄な人はS/Mサイズ。ちょうど境目の人は、ガッチリしていればM/L サイズでいいでしょう。
3-4時間のマルチピッチのクライミングならばザック無しで、このギアラックにアプローチシューズや水筒、パックインのジャケット等をつけて行けば軽快ですね。
下手なザックよりも背負心地は良好です。低価格ですがとっても使えるやつ、それが新型BDのギアラックです。