墜ちてきました?!!

去る2000年5月15、16日の両日、我々カラファテスタッフは全員で実際の岩場に出向いて現在入手できるビレイデバイス(確保器具)と下降器の使用テストをしてきました。

リードのビレイ、トップロープでのビレイなど多項目について一人一人が実際にビレイしながらチェックをし、スラブ、垂直のルートや前傾したルートなどいろいろなルートを登ったり降りたりし、数十回墜落を繰り返して使用テストしてきました。テストした項目は以下のとおりです。

  • セットのしやすさ(ロープの入れやすさ)
  • リード時のロープの繰り出し、引き出しのしやすさ
  • リードする人の墜落時の制動コントロール性
  • リードする人がハングドックする時のロープロックのしやすさ
  • ハングドック時のクライマー吊り上げのやりやすさ
  • トップロープ時のロープの引き出しのしやすさ
  • トップロープ時のロープロックのしやすさ
  • 固定物を使ったトップロープのビレイの可、不可
  • ロワーダウンのさせやすさ(スムースに降ろすことができるか)
  • ロワーダウン時にロープがキンクしにくいか
  • ビレイ器具の習得の容易性(間違いなく使えるか)

また、懸垂下降器や懸垂下降(ラペリング)に使えるビレイデバイスは以下の項目もつけ加えました。

  • ラッペルロープのセットのしやすさ
  • ラッペルロープの流れのスムースさ(キンクしにくさ)
  • ラッペル時の制動コントロール性(ロックできるか)

以上の項目につき各人がそれぞれ6段階で評価したあと、全員でミーティングし、それぞれの意見を交換しました。

 

今回テストに使用したデバイス

ブラックダイヤモンド ATC ★ チューブ型
スーパーエイト 8の字型
ワイルドカントリー バリアブルコントローラー チューブ型
SRC オートロック式
スーパー8 8の字型
スマイリー アトガビレイヤー チューブ型
カシン ロジック オートロック式
ツイン オートロック式
トランゴスポーツ ピラミッド チューブ型
カンプ ヨーヨー オートロック式
ぺツル グリグリ ★ オートロック式
DMM バグ チューブ型
ガーディアックアレスター 8の字型
シモン キュービック チューブ型
エイトリング ★ 8の字型

★印はそれぞれのタイプの基準品としたもの

さてテストの結果ですが、チューブ型のものはBDのATCを基準に考え、オートロック式のものはぺツルのグリグリを基準にして評価しました。見た目だけではわからないもので、あれこれ使用して初めて理解できるものや、使い込んでコツみたいなものがわかると評価の変わるものなどがあって私達もずいぶん勉強になりました。

ワイルドカントリーのSRCなどはビレイマスターという専用カラビナと組み合わせると繰り出し、引き出しが想像以上にやりやすく、グリグリよりもリードのビレイはずっと楽なうえにロープのロックも確実で、トップロープでは立ち木を使ったビレイでも不安はありませんでした。(使用説明には立ち木でのビレイについては説明されていなかったので、ハーネスのループからもビレイをとりました。)

ロワーダウンも実にスムースかつゆっくりおろすこともでき、ロープもキンクしにくく意外な使いやすさから今回の人気No、1でした。ビレイマスターとセットで¥5、500という価格から考えても逆転2ランホームランくらいの価値がありそうです。

最初はロープが繰り出しにくくロワーダウンもさせにくいと不評だったカシンのロジックも、使い方がわかってくると結構使えるうえにロープのロックが一瞬でできるのでロープが傷みにくいことがわかり、考えを新たにさせられました。中根(73kg)がリード中に一本目ボルト上で急にスタンスが欠けて大フォールした際も、実に確実に止まりました。この器具は微妙なロープ操作という点ではATCタイプに一歩譲りますが、軽量、コンパクトなうえに安値(¥2、500)なので、すでにビレイデバイスを持っている人が2つ目に持てば、オンサイトやレッドポイント狙いの慎重なリードビレイの時はATCタイプを使い、トップロープやハングドックしながらのヌンチャク掛けの時にはロジックを使うといった使い分けも行えるのではないでしょうか。多少器具の扱いにコツがありますが、その辺のことはカラファテで聞いていただければ店員が詳しく説明できると思います。

まったくの新製品であるシモンのキュービックは、形が平凡ながら縁がVの字形にカットされていて、こちら側からロープを入れると少ない力でロープがロックし、細いロープやダブルロープでのリードビレイ、トップロープの時などは楽にビレイが行えます。反対側からロープを入れるとロープがセットしやすく、流れが良いので、懸垂下降やビレイに良いといった特徴がありました。アルパインクライミングからマルチピッチスポーツクライミングまでをひとつの道具でこなすことができるのは、大きな魅力といえます。荷物の小型化が必要な山奥の岩場や、海外でのクライミングなどでは重宝することでしょう。

他にも用具によって新たに気がついた点はいろいろありますが、詳しいテスト結果のすべては載せられず、また個人によって多少意見や感じ方も違うため、ご来店の際に相談していただければそれぞれの器具の長所や短所、またどういったシチュエーションで使うと効果的かといったことがアドバイスできると思います。

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