クライミングスキンについて

春のツアーシーズンです。
ゲレンデの営業が終わりになる時期ですが、雪が落ち着いて山に入るにはよい季節になりました。

今回はツアーになくてはならないクライミングスキンのお話です。

ATスキーやテレマークスキーで山を登るのに使われるクライミングスキンは、ベースになる生地の上にナイロンやモヘアなどの毛を斜めに植毛した構造で、これを特殊な粘着剤でスキーに貼り付けて使用しています。

貼ったり剝がしたりということを繰り返している以上、粘着剤はどうしてもその粘着力が徐々に落ちてくるものです。こればかりは仕方がなく、そのためにも接着力を維持するためのメンテナンスが欠かせません。一般的なグルータイプのものではチューブに入った専用の粘着剤などが市販されており、これを塗り足してケアをしてあげることになります。

ブラックダイヤモンド・ゴールドラベル接着剤

コールテックス・グルーチューブ

また、日本の夏は高温多湿ということもあり素材の劣化が進みやすいため、粘着面の状態が悪くなってしまったには(ベトベトになってしまい、使用後にスキーからスキンをはがすと粘着剤がスキーに残ってしまうなど)粘着面の張替えが必要性になることもあります。

貼り替え用のコールテックス・ホットメルトテープ

ここまでのお話はクライミングスキンを使ってきた方はご存じの内容かと思います。

 

このクライミングスキンですが、使いやすくするための補助アイテムが販売されているので少しご紹介しましょう。

スキンWAX

クライミングスキンの滑走面(雪と接する植毛してある面)に擦りつけて均一に塗ることにより、雪付きを防ぎスライド性を向上させるためのワックスです。
春先の湿った雪などで、クライミングスキンへ雪が団子状にくっついてしまうことがあります。これを防ぐ効果があるため持っておくと便利なアイテムなのです(
僕はクライミングスキンの袋に入れてツアー中はいつも持ち歩いています)。
雪がついてしまったときに取り出して塗ってあげるのもありですが、登高時にスキーにスキンを装着する際にワックスを押し当てて貼り付けてあげるとスキンもしっかり付くし、最初からワックスの効果が得られるのでよいですね(スライド性も上がりますから一石二鳥です)。

カラファテではブラックダイヤモンド・グロップストッパーワックス、コールテックス・エクスプレス ユニバーサルワックス、コーラ・スキン ワックスの3種類を取り扱っています。

同じようにスキン装着時のスライド性アップ、雪付き防止用ワックスとして使え、さらにスキー滑走ワックスとしても使えるコールテックス・スキン+スキーワックスという製品もあります。

コールテックス・スキン+スキーワックス

この製品、スキーの滑走面にワックスを塗った際により浸透させられるよう、キャップに塗り延ばし用のフェルトがついているのもよいですね。なかなか考えられています。

 

撥水剤

スキンの植毛面に使う撥水(防水)剤というものも製品化されています。
湿った雪や春のザラメ雪ではクライミングスキンが濡れやすくなってしまいます。スキンが濡れてしまうとスライド性が悪くなってしまいますし、濡れによって接着剤の性能が低下して剥がれやすくなってしまうことがあります。それを防ぐためにこれを使うとよいでしょう。
クライミングスキンの滑走面(植毛してある面)にスプレーして、乾かすと撥水効果が出るものですので、出掛ける前に作業をする必要があります。持ち歩くものではないので荷物の増加にはつながりませんし、効果も高いのでオススメのアイテムだったりします。
カラファテではコールテックス・エコ スキンプルーフ、コーラ・スキンインプログネーションを在庫しています。ぜひお試しください。

 

1990年代までのスキーはサイドカットが浅かったため、クライミングスキンはセンター幅に合わせたものをトリムをせずストレートのまま使ってもあまり困ることがありませんでした。しかし、2000年代に入りワイドスキーが主流になってくると、回転性を高めるためにスキーのサイドカットが深くなったため、センター幅にあわせたストレートなものだと斜登高した時にクライミングスキンが十分雪面を捉えることができず、ズルっと滑ってしまうようになってしまいました。そこで少し幅が広めのスキンを用意してサイドカットにあわせてトリムして使うようになったのです。

クライミングスキンはスキーから外しているとき、粘着面どおしを貼り合わせておけるように作られています(コールテックス・CT-40を除く)。トリムをしていないストレートなスキンではそれで不都合はなかったのですが、サイドカットトリムをするようになると収納時に折りたたんできれいに貼り合わせることができず、粘着面がむき出しになってしまう部分が生じてしまいうまくありません。さらにグルータイプでは粘着力が強くなっていったために粘着面どうしを貼り合わせてしまうと剝がすのも大変になってしまったのです。

そこで樹脂製のシートなどに挟んで持ち運ぶようになったという訳です。メッシュ状のネットになっているものが使いやすく普及してゆきました。

ブラックダイヤモンド・チートシート

コールテックス・プロテクションネット

最初に日本の夏は高温多湿で素材の劣化が進みやすいというお話をしました。これは空気中にある水分を接着剤が吸収してしまうために起きる現象で、劣化が進みべたつきがひどくなるとクライミングスキンを貼ったものを剝がしたときにスキーに粘着剤が残ってしまったり、着脱の際に手についてしまったりするようになります。
グルータイプのものはこの現象が起きやすく、数年でこのようになってしまう場合があります。劣化自体は避けることができませんが、粘着剤が空気に触れないようにしてあげたり、温度と湿度が低くいところで保管すれば劣化のスピードを抑えることができます。

ブラックダイヤモンドのクライミングスキンを購入すると最初は接着面に白い紙が貼ってあります。コールテックスのトディ(粘着グルータイプ)も茶色の紙が貼ってあります。メッシュのチートシートに貼っておくと接着面が空気に触れてしまいますが、シーズンオフなどはこの紙に貼り換えて保管すると接着面が空気に触れにくくなるため劣化しにくくなります(このことは取扱い説明書には書いてありません)。夏場の保管のためにも、紙は捨てずに大切にとっておくようにしましょう

紙がない場合は、空気に触れないようにプラスティックシートなどを用意して貼っておけばよいだけのことです。商品化されたものもあるので、良いものが見つからなければこちらをご活用ください。

モンタナ・プロテクションフィルム

 

ツアーに出掛けた現場でクライミングスキンを貼ったり剥がしたりすると、チートシートなどが風で飛ばされたりして扱いに苦心してしまうことがあります。そんなときに便利なのがコレです。

コールテックス・プロスキン

チートシート(プロテクションネット)の代わりに容易にクライミングスキンを収納することができるアイテムです。袋状になっているため、プロスキンに手を通してそのままクライミングスキンをつかんで1/3程剥がしてスキンにプロスキンを覆いかぶせ、残りの粘着面を剥がしながらプロスキンの表面に貼ってゆけば持ち運びができる状態になります。吹雪の時などは有効ですね。

 

クライミングスキンのセットには収納袋がついてくることが多いです。これに入れて持ち運んでいると思いますが、ちょっと便利なアイテムを一つご紹介しておきます。

オリジナル・クライミングスキン収納袋

カラファテのオリジナル商品になります。薄手の化繊生地で作られた収納袋ですが、細引きを通してあるので首から袋をぶら下げることができるのです。クライミングスキンのつけ外しって結構面倒なもので、作業時は両手が塞がってしまったりします。収納袋に入れる時も持ち替えてとなるようなことが多いので、首からぶら下げられるだけでも結構便利だったりします。出し入れ口もベルクロで留められるようになっているので、シンプルながら確実な収納ができます。

 

「クライミングスキンって登高時にスキーへ貼りつけて使うだけ」ではありますが、それが快適に使えると登りの効率もグンと上がります。自分の足で稼ぐものですから、そこは結構重要なポイントではないかと思うのです。クライミングスキンの性能ももちろんですが、その性能を十分に引き出すためにも周辺アイテムの活用もあわせて考えてみてはいかがでしょうか?

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