今年もやりました!そして作ってきました?!!

カラファテスタッフによる最新ビレイデバイステスト&フリークライミングルート開拓リポート

去る2002年5月28、29日の両日、恒例となりつつあるカラファテ・用具研究会を行いました。以前より行っている各種ビレイデバイスの最新モデルテストに加えて、今回はフリークライミングのルートがどのように作られているのか、プロテクション支点としてのボルトの強度や使い勝手などを含めて、実際のルート作りを通じて得たノウハウなど各種用具のリポートをお届けします。

 

Newビレイデバイステスト

まずは新たに登場したNewビレイデバイスのテスト結果からです。今回、注目度&期待度ともにNo1だったトレビレイヤーのシリウスというビレイデバイスですが、これはシングルロープ、ダブルロープのどちらでも使え、リード、トップロープ、セカンドビレイのすべてが行えるというものです。

実際に使ってみたところリードでのビレイは若干のコツが必要なもののロープの流れは良く(グリグリよりも良いくらい)、繰り出し時にロックしてしまうことも少ないようです。ただし、他のビレイデバイスと違って体に対して横向きに器具がセットされるため、右上、左上のルートでは使い勝手が逆になったりしてとまどうこともあります。

トップロープでのセカンドビレイはほぼ完璧で、テンションが入った時にも力がいらず、そのままロワーダウンさせる際にもコントロールしやすく楽な印象を持ちました。

シングルロープでの懸垂は少しやりにくさがありますが、これを使う人がシングルロープで降りるといった使い方をすることはほとんどないのではと思います。ダブルロープでの通常の懸垂では大変やりやすく、シャントやスリングタイオフを用いたバックアップよりセットしやすく使いやすいと感じました。もう少し説明書がわかりやすいと良いのですが・・・

他にはクライミングテクノロジーのアイベクスという器具が思いのほか使いやすく高評価でした。これはコントロールハンド側がV字のスレッド状になっており、ロープをロックしやすいATC型のビレイデバイスでトランゴ社のジョーズと同じタイプのものです。ロープの通し方向は一方向のみで、8~11mmと細いロープでも十分な制動力が得られるうえ、登っている人がテンションしている間も少ない力でロープをロックさせることができます。またロープがねじれないため、キンクしにくく初心者から安心して使うことができます。注意点としてはATC同様バケツ型なので、角の丸い大型のカラビナと組み合わせなければロープの出し引きがしにくいという点がありますが、ロープのセットのしやすさ、繰り出しや引き込みのしやすさも良く、隠れた良品を発見という感じをうけました。

 

新企画!フリークライミングルート開拓リポート

日頃登っているスポーツクライミングのルートではハーケンを使用せず、電動ドリルであらかじめ打ちこんだ強度のあるボルトのみを使用します。これを支点に確保をとり、自分の限界まで登って楽しんでいるわけです。さて、あらかじめ打ち込んであるボルト類などはどのようにしてセットされているのでしょうか?今回はこの辺を探ってみるべく実際にルート開拓をしてみて、ルート作りの用具やノウハウについてのリポートをお届けしたいと思います。

まず既製ルートの終了点をよく観察し、ロープの架け替えのやりやすさやロワーダウンの際にロープが岩に擦れたりしないかなどをチェックしました。初日に自作のチェーンで作られ、ロープの架け替えができない終了点の打ち変えを行い、2日目に新しいルートを作るために岩の上に横から回り込んで新規の終了点を設置したりしました。終了点に関しては今のところスペインのFIXE社から発売されているもの(既製品)が質も高く丈夫で使いやすいと思われます。また終了点用のボルトはヒルティ社のM10×90のグージョンタイプが良いようです。終了点にしろボルトにしろ種類や材質等、いろいろなものが出ております。その特徴や使い分けについてはご来店の上スタッフまでお尋ねください。

終了点とともに各種ボルトのテストも行いました。まず旧式のカットアンカータイプ、ヒルティタイプというメスネジ式のボルトを打ちましたが、たいへん施工しにくく時間がかかるうえ、ネジやワッシャーといったパーツを落としやすく、拡張も失敗しやすいのでスラブくらいでしか使えないという感想を持ちました。

次にストライクアンカーという心棒後打ち式のオスネジアンカーを打ちました。実は日本の岩場では値段が安いことからこのタイプのボルトを使ったルートが多く作られています。しかし心棒を最後まできれいに打ち込んで拡張させることが難しいうえに、一度失敗すると回収ができないうえ、ネジ部分が大きく岩から飛び出してしまいます。また完全に拡張できたものも先端方向への加重にはあっさり折れることもあります。これはネジの込み部分が中空になっているためだと思われます。以上のことからこのタイプのボルトは径が12mm以上のものでないと必要な強度が出ないようです。

さて現在主流になりつつあるグージョンタイプのボルトの引き抜き検査も行ってみました。今回の実験では1本だけですが、径10mm深さ90mmのものが15KN以上で引っ張ってみてもびくともせず、20KNくらいで心棒が中のほうでちぎれて抜けました。これはボルトがしっかり拡張されて利いており、グージョンタイプのボルトの強度が高いことを意味しています。施工もしやすくハングしたところでもうまく拡張するので安心して使えるともいえます。しかしレンチでハンガーをとめる際にトルクのかかり過ぎに注意も必要です。

これらのボルトの長所や短所などここだけでは紹介しきれないこともあり、ご来店のうえスタッフに相談していただければデーターも踏まえてご説明できると思います。

 

初・中級者でもわかるボルトチェック

ケミカルアンカー

半永久的に利くといわれ、強度もバッチリ!

安心度

ステンレス ★★★
スチール ★★☆

 

 

グージョンタイプ

  • 締め付けネジがナットになっている
  • 心棒が金属のムクになっている
  • ネジの突出量は15mm以下が好ましい

 

 

安心度

ステンレス ★★☆
スチール ★★☆

 

ストライクアンカー式

心棒(細い)を後から打ち込むタイプで、心棒が10mm以上ないと弱い
安心度

ステンレス ★☆☆
スチール ★☆☆

※ただし心棒が途中で曲がっているもの(左のイラスト)、ネジが2cm以上出ているも、ハンガーが空回りしているもの、ナットの径が17mm以下のものなどはスポーツクライミングの支点としては不可!!

 

チップ式ボルト

  • ネジがオスネジなので見るとすぐにわかる
  • ネジ頭が17mmのものはM10、13mmのものはM8でM10のみがスポーツクライミングの支点となりえる

 

 

 

安心度

 M10ステンレス ★☆☆
M10スチール ☆☆☆
M8 ×

 

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